006.出来ない
即答する「出来ない」は、「やらない」の間違いである。
「出来ない」ことは、速やかに認めるべきである。
と思うのですが、どうでしょう。
当然、人間ですから出来ないということは発生します。
という書き出しを書いて、我が職場の私の隣の人物は、私がメモを机に上げておいても、「ありがとう」でもうんでもすんでもないのですが、そのことを別の方に言ったら「あの人、そういうの苦手そうだもんね」と一言。
なるほどなるほど。
私の中では、挨拶が「出来ない」人という設定ですが、確かに「苦手」な人というのもいるでしょうね。
ただし、社会人としてそれもどうかと思ってしまうのもあるのですけれど。
隣のバカタレに関してですが、彼はうちの職場には中途に派遣されてきました。
7月ですね。
その騒動、その無軌道っぷりはここでは語りませんが、9月にある仕事を頼まれました。
同じ業種でも、うちの職場はちょっと特殊なのですが、その仕事自体他のものの応用で充分できるものでした。
むしろ、これが出来なければ、この業種でやっていけるのか? 以前いた職場では何をやっていたのか? と疑ってしまうようなものです。
上司から、「全部は無理だろうから、一部だけ挑戦してみるか」と言われ、彼も了承しました。
期間は約一ヶ月。
そして、彼はそれに対して着手しているようには見えませんでした。
ちなみに、私は去年いきなりではありませんが、書類をワンセット、全部自分で作成するよう命じられていますし、今年彼が命じられていたときには既に完成させていました。
つまりは、周りの人間からしてみれば「出来て当たり前」の仕事でもあるわけです。
そして、期限が近づいたころ、「どうだい?」と上司に問われた彼はこう答えます。
「まだ、ちょっとうまく行かなくて」と。
そして、一週間の期限延長の恩恵にあずかりました。
話の流れから、推察できるのではないでしょうか。
彼は結局「出来ません」とGive Up宣言をしたのです。
一ヶ月の期限を過ぎ、更に仕方なく伸ばしてもらったのにもかかわらずです。
今回上司は彼が作ったものを全て採用するつもりではなかったというのもある上に、元々全部自分で作った方が早いという考え方の方ですから、自分の業務に差し支えはなかったのですが、「任せたっ」タイプの方だったらどうする気だったのでしょう。
ましてや、彼が作ったものに対するオプションは上司が作成するという動きであり、その流れは彼も承知していたのですが。
最初から「出来ません」と言うことは、「やりたくない」ということでもあるのではないでしょうか。
もちろん、主義主張や倫理に照らし合わせて、絶対「出来ない」というものもありますが。
そして、「出来ない」と認めることは、自分の能力の限界を知ることであり、またそれを他者に伝えることはとても勇気のいることでしょう。
けれど、仕事であり、他者と連携する以上早めに「出来ない」と伝えなければならないこともあるのです。
また、早めに着手していれば「ここがどうしてもうまく出来ない」と伝え、指導を仰ぐこともできたでしょう。
「出来ない」ということは、ちゃんと努力してから言うのであれば、恥でも何でもないはずなのです。
世の中、「出来ない」の一言が言えずに苦しむ人も多いでしょう。
「出来ない」ということで無能のレッテルを貼られ、苦しむこともあるでしょう。
でも、ちゃんとした人は……という条件がつくのがなんですが……努力をした上で出来ないのか、単純にやらなかったのかというのをわかってくれると思いますし、実は自分が一番わかると思うのです。
努力しても出来なかった。
でも、ここまでは頑張った、と。
確かにあそこで手を抜いたしな。
仕方ないか、と。
ここが大きな分かれ道なのではないでしょうか。
努力をする前に「出来ない」という人。
明らかに努力をせずに「出来ない」という人。
一生懸命頑張って、それでも「出来なかった」という人。
こう書き出すだけで、皆さんだって許容できる人できない人というのがはっきりしてくると思うのです。
まずはチャレンジしてみる。
わからないことは聞く。
その上で早めに見極める。
そういったことがとても大切なのではないかと思います。
『出来ない』
出来ない
出来ない
出来ない
「出来ない」というのは呪いの言葉
自分で言っても
誰かに言われても
自分の可能性を摘み取る言葉
出来る
出来る
出来る
「出来る」というのは魔法の言葉
自分で言っても
誰かに言われても
嬉しくて頑張るバネになる言葉
出来る
出来ない
出来る
出来ない
繰り返しはプレッシャー
自分で言っても
誰かに言われても
堂々巡り
潔く言おう「出来ない」って
笑顔で言おう「出来る」って
気の持ちようで
すべてがきっと変わるから