004. 途切れる歌
私は基本的に、歌謡番組は見ない人。
それは学生のころから、変わらない。
だから、贔屓の歌手なんてほとんどいないし、学生時代のカラオケBOXでは大変苦労しま
した。
芸能人ビンゴ! なんてやった日には、時代劇俳優が私、周囲はジャニーズっていう具合。
CDもほとんど買わない。
全てレンタルせずに買ってます(アルバムのみ)! と言えるのは、ポルノグラフティのみ。
ここには価値観の問題が大きい。
3000円は高いのよっっ!!
ポルノグラフティのアルバムだって、全曲好きなの! なんて、言えませんから。
数曲聴くために、3,000円は出せません。
本の10,000円はぽんっと出せても、CDの3,000円は考えちゃう。
ちなみに、初めてレンタルしたCDは、愛は勝つ / KAN
初めて買ったのは、ミッドナイト・シャッフル / 近藤真彦
明らかに、年数が経ちすぎてる……。
「ミッドナイトシャッフル」は、当時キンキキッズの堂本光一さんが出てたドラマ……タイトルを忘れています。
二つの頭脳を持つ少年。金狼、銀狼っていう役割をやってました。
そのときの主題歌です。
こんな感じなので、今歌いなさい! とか言われると、出てくるものは全て耳コピしたもの。
口ずさもうとしても、CMで聴いているとか、そういう部分だけになっちゃいます。
耳コピだから、歌詞を間違って聴いてることも多いんですよね。
だから、逆に子どものころのアニメソングなんかは、毎週見てる分、放映分は今でも歌えたりする。
小学生のころ見てた「悪魔くん」とか。
サザエさん、火曜日バージョンとか。
ドラゴンボールとか。
なので、沢口樟葉思い出メドレー! なんてやろうとした日には、古いアニメソング以外は、途切れまくること必定です。
これは蛇足ですが、歌は歌詞が素敵な方が覚えやすいですね。
小室哲哉さん全盛のころって、無駄に横文字とか入っていて、とても覚えづらかったです。
最近は、森山直太朗さんや他の方々の影響か、ちゃんと日本語の歌詞ばっかりっていうのも増えてきて、いい感じですね。
あと、気になるのは声量のたりない人が多いこと。
Mステなんかを見ていると、「マイクを舐めてますか?」「他の人使えませんな」っていう方が多い。
更にそれでも、バックに負けて、発音悪くて、テロップがないと何を歌っているのかがわからない。
懐メロ大会とか、演歌の方、マイク、相当離れてますよね。
そういう意味で、「歌手」も「俳優」も専門職でなくなってきている。
Sonyさんなどが技術者を蔑ろにして今に至っているように、きちっとした基礎のない人が増えると、日本歌謡界、歌い継がれる歌が少なくなってしまうかも。
途切れる歌、ばかりだと切ないですよね。
『途切れる歌』
「たりらりらんらん、るんたったぁ」
今口をついて出たのは、さっきチャリンコに乗った高校生が口ずさんでいた歌。
いつの間にっ?
と思ったときには、既に頭から離れない。
あまつさえ、今のように無意識に口から飛び出す。
しかも、うろおぼえで他のところが歌えないから、
「たりらりらんらん、るんたったぁ。……たりらりらんらん、るんたったぁ」
で、途切れてはエンドレス。
途切れているのに、終わらない。
「この呪いを止めてくれぇぇぇぇぇぇぇっっ!」